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 なおきち・かこきち

Author: なおきち・かこきち
息子4号、生まれました!
表丹沢のふもと、茶畑と牧場に
囲まれた家。ヤギ親子とともに
「命のつながりを感じる暮らし」
楽しんでいます。

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麓日記

畑仕事。雑木林。親子でカエル捕り。 ときどき、旅。 丹沢山麓での田舎暮らし、 紹介します。

2014.08
05
(Tue)

駅をたどり まちを結んで その2 

旧仁宇布駅4

宗谷本線 各駅停車の旅は まだまだ続きます。
次の列車まで、あと4時間。
時間の流れが ちょっと違うなー。

旧仁宇布駅1

旧仁宇布駅2

豊清水駅

注 線路の上を歩いているのは、すべて廃線跡で撮った写真です。

★ 音威子府駅、筬島駅  8月3日

 地名の響きが旅心をくすぐる、音威子府(おといねっぷ)。人口約800人、北海道でいちばん人口が少ない自治体だという。道内のどこにでもあるような、林業と酪農の村、と思っていたけれど…。
 音威子府は「森と匠のむら」で村おこしに取り組む。そのきっかけは、アイヌの彫刻家砂澤ビッキ氏がアトリエを構えたこと。よくある公共事業なら、ここで美術館やアート体験施設をつくるところだが、この村は、専門の高校を作るというユニークな取り組みを始める。北海道おといねっぷ美術工芸高校。廃校寸前だった村立高校を美術工芸の専門高校に転換したのだ。
 村の子が進学しない高校に何億円もかけ、住民税も払わない高校生を集めることを疑問視する声は、一時は村を二分したという。でも始めてみれば、毎年新しい住民を40名迎え、その全員が地域に元気をくれる才気あふれる若者たちだ。工芸教室や運動会で村民との交流が始まり、震災復興支援や国際交流活動ではいつしか子どもたちが村をリードしていた。気がつけば村人はサポーターになり、人が人を呼んで話題を作り、いまやこの高校は、全道はおろか全国から志望者が集まる倍率2倍の難関高。夕飯食べたらまた学校戻って製作の続きをしてるって、とにかくあそこの子どもたちはすごいよー、と、これは前夜にトントで聞いた学校の評判だ。

    アトリエ3モア 展示1

    アトリエ3モア いないいないバー

 その活動の原点でもあり、いまも生徒たちが週末ボランティアに通うという、砂澤ビッキ氏のアトリエ3モアを訪ねた。草ぼうぼうの無人駅に止まる列車は1日5往復、駅周辺にも離農した廃屋が点在する筬島(おさしま)集落に、本当にキセキのようなミュージアムがあった! 森の息遣いを感じるような、荒々しくも繊細な作品たち。光と影が交錯する大人の空間。ものすごく都会的なセンスあふれる展示室なのに、窓の外に目を移せば、広大なかぼちゃ畑と、天塩川の原始の流れ。すごい、ここ。格好よすぎ。集まっていたツーリング途上のライダーさんたちの輪に入って、子連れの僕らもしばし、アートを語らう。
 そう言えば昨日泊まった咲来でも、チェーンソーアートの工芸家3人が屋外で2週間、作品を公開制作するイベントをやっていた。咲来も筬島も、小中学校も郵便局も閉鎖された限界集落、でもそこで、若者たちの取り組みが根を下ろし、新しいネットワークが生まれようとしている。それをささえる、オンリーワンの村づくり。応援したいなー。

    筬島駅にて

    抜海駅にて

★ 抜海駅  8月3日、4日

 それは僕が20歳の夏、鉄道旅行サークルの合宿で訪れた旅だった。札幌から乗った夜行急行「利尻」。寝台車ではなく座席に丸まってすごす一夜、うつらうつらの浅い眠りからふと目が覚めると、列車は朝霧がたちこめたササの丘を、ゆっくりゆっくり、走っていた。それは今まで見てきたどんな自然とも違う、森でもなく、もちろん農村や里山の風景でもない、まさに「原野」という言葉がしっくりくる眺め。ああ、北海道に来たのだ!いっぺんで眠気が覚めた僕は、隣に寝ていた先輩を揺り起こす。「すごいところを走ってますよ。」 
 2人でしばし呆然と車窓に見入っていると、ポツリポツリと牧場や家が見えはじめ、列車は通過駅のホームに進入、「ばっかい」と書かれた駅名標と古い駅舎が車窓に流れた。こんなさいはてにも人が住んでいて、厳しい自然と対峙しながら暮らしているんだ、という感慨、驚き。それが抜海駅との最初の出会いだった。

 約30年ぶりに下り立った抜海駅では、あのころと変わらない木造駅舎が僕らを迎えてくれた。風雪に耐え、年輪を感じる待合室を見渡して、「父さん、この駅すごいねー」と感嘆したのは、長男ユウマ。
その夜の旅人宿では、次男マコが、夜遅くまで旅人の語りの輪に入っていたという。(父は疲れて速攻ダウン。年だなー。)
 2人は、この旅で、どんなことを感じたのだろう。
 
 駅をたどり、まちを結ぶ宗谷本線の旅も、ゴールは近い。一夜明け、さらに北に向かう各駅停車に乗った。
 雨にけむるササの原野の中、日本海を見下ろして、列車は丘を越えてゆく。
 終着駅稚内まで、駅はあと2つだ。

    サロベツ原野
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