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 なおきち・かこきち

Author: なおきち・かこきち
息子4号、生まれました!
表丹沢のふもと、茶畑と牧場に
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麓日記

畑仕事。雑木林。親子でカエル捕り。 ときどき、旅。 丹沢山麓での田舎暮らし、 紹介します。

2015.10
29
(Thu)

鉄道×お米×ジオツアー 

ジオパーク全国大会で、霧島に行ってきました。
熱い熱いワークショップと講演会に圧倒された2日間の後は
お楽しみのジオツアー「日本三大車窓とにぎぃめしツアー」。
鉄道×お米×火山のめぐみ その物語とは?

真幸駅

霧島山地と加久藤盆地の眺め

田の神さあ

ジオツアー風景


これより先↓は、いつものながーい旅行記。テツの世界に興味のある方はぜひ。
今回は、白黒写真でまとめてみました。


肥薩線旅行記 【 幸せ列車で峠越え 】

 峠の長いトンネルを抜け、眼下にひらけた眺めに、車内から歓声が上がります。
 盆地と霧島連山の眺めが見渡せる場所で、列車は一旦停止。
 窓から身を乗り出して次々とシャッターを切る僕ら。

 ここは肥薩線の矢岳越え。日本三大車窓を楽しみながらスイッチバックとループで山登りするこの区間は、峠越えの汽車旅がライフワークの僕にとって、一度は訪ねてみたい聖地でした。6年前に一度訪ねたものの、あいにくの雨の中…。
 それだけに、霧島市で行われたジオパーク全国大会に参加して、そのメニューに「日本三大車窓とにぎぃめしジオツアー」を見つけたときは、即決でした。鉄道の旅×稲作文化×火山の恵み、という、ちょっと見、結びつかないテーマもディープで面白そう。

 車窓から見おろす加久藤盆地は、収穫の季節を迎えて黄金色に輝いています。でも、ここ霧島と言えば芋焼酎=サツマイモ栽培=火山灰のシラス台地。なぜ環霧島で、ここだけ美味しいお米が獲れるのでしょう?
 そんなミステリー仕立てのお題をもらって、ツアーでは米どころ・えびの市内を巡りました。霧島火山に染み込んだミネラルたっぷりの水が湧く池へ。群青色に澄み切った水がこんこんと湧き出る水源に、火山のめぐみを実感。湧き水の温度を上げるために張り巡らせた水路や溜め池には、先人たちの知恵と努力も感じます。
 広がる田んぼのほとりには、田の神(かん)さあと呼ばれる小さなお堂がありました。中を覗けば、子どもの絵のような、素朴なお顔や着物が描かれた石像がちょこんと鎮座。当番の人が毎年描き直して、豊穣祈願のお祭りをする慣わしだそうです。荒ぶる自然を抑える力ではなくて、村人に寄り添うようにそこに佇んでいる神様。
 ガイドさんから微笑ましい話も聞きました。田の神さあがいない新田を開いたらどうすると思いますか? なんと、他の集落から田の神さあを盗んでくるんですよ。お堂の前に「探さないでくれ」とか、書き置きして。そして3年たったら、穫れたお米や焼酎をたくさん添えてお返しして、それでチャラ。
 なんとまあ、南国らしい大らかな神様! この地の豊かさが伝わってくるようなお話です。

田の神さあのお堂(白黒)

湧き水の池(白黒)

校庭に子供の声が響く(白黒)

 さてさて、話を肥薩線に戻しましょう。
 このツアーのハイライト・日本三大車窓を楽しむために、バスは矢岳駅へ。ここで観光列車「いさぶろう号」に乗り換えです。
 景勝地のローカル線で、ある区間だけドヤドヤとバスツアー客が乗り込んできて、とーっても迷惑した経験が何度もありますが、まさか自分がそれをやるとは…ゴメンナサイ! でもおかげで、なかなか途中下車しにくい矢岳駅を存分に楽しむことができました。高い天井にシャンデリアの照明、格子のはまった和の趣の窓。ここはローカル線とは思えない風格漂う、和洋折衷、明治の駅舎です。
 それもそのはず、肥薩線は当初は鹿児島本線だった路線。それが海沿いの新線開通でローカル線に格下げになり、特にこの山越え区間は、九州新幹線の開業時には廃止も検討されたと聞きます。過疎化が進む山岳地、おまけにスイッチバックやらループやらで時間がかかり、車やバスには到底太刀打ちできない。
 それを逆手に取って、ゆっくり走ることを売り物にした観光列車を走らせたのは、JR九州の慧眼でしょう。いさぶろう号は、ワンマン列車どころかアテンダントのお姉さんが乗車していて、たったひと駅の「いいとこどり乗車」の僕らも、にこやかな笑顔で迎えてくれました。
 いまでも単体の列車や路線としては赤字に違いない。でも、関連グッズやツアーの収入、何よりローカル線に新たな価値を見出したJR九州のブランド力は、物凄くアップしたはず。そんな観光列車は、今やJR九州のオハコですが、その先駆けになったのが、ここ肥薩線なのです。

矢岳駅(白黒)

ススキの穂を揺らして(白黒)

 ススキの穂を揺らして、列車はゆっくりと峠路を登っていきます。そして矢岳越えの長いトンネルを抜けると、夢にまで見た絶景が広がりました! 快晴の青空のもと、眼下に黄金色に染まった加久藤盆地。正面にはどーんと霧島連山の峰々。右奥には、なんとはるかに桜島も! ああ、これこそが日本三大車窓の眺めです。
 ジオガイドさんの解説では、この加久藤盆地はかつて、噴火でできたカルデラ湖だったそうです。そこで泥が堆積して水を通しにくい地層ができたために、環霧島でここだけは水田が作れるとのこと。まさに火山のめぐみが作り出した景観と、暮らしと文化、そして素敵なローカル線の旅! 

 そんな列車の旅の終わりには、とっても幸せな駅が僕らを待っていました。車窓のすぐ下に小さな木造駅舎が流れ、歓迎ののぼり旗がはためいて、特産の品々を売るおばちゃんたちがニコニコ顔で手を振っているではありませんか。え、あそこに行ってみたいけど、通過しちゃったの? いえいえ、真幸駅はスイッチバック、列車は 駅の先で一旦停止して進行方向を変え、ゆっくりと戻りながらホームに進入していきます。なんてイキな演出でしょう。
 真幸駅は民家のような小さな木造駅舎、矢岳駅とはまた違う魅力、とっても庶民的で心が和む駅舎に、おばちゃんたちの歓迎の笑顔があふれていました。シーズンオフの平日なのに、いさぶろう号はたった5分しか停まらないのに…。駅舎の横には、4体の田の神さあも微笑んで、僕らを迎えてくれます。
 加久藤・真幸の土で焼いたという陶製グラスを、お土産に買いました。
 帰ったら、おいしい焼酎をなみなみ注いで、霧島の火山のめぐみに心をはせよう。

真幸駅(白黒)

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